2014年9月19日金曜日

スラム以外のフィリピン人の平均収入について

これまではスラムに住む人たちにフォーカスしていましたが、フィリピンの一般的な職についている人の収入については何も知りませんでした。

台風の影響で何もできない時に数人インタビューして、収入がどんなものか聞いてみました。
インタビューしたのは、以下の人たち。

・Jollibeeの店員
・白タクシーの運転手
・ホテルからタクシーを手配する会社の社員
・ホテルの従業員

旅行をすると必ず接するような身近にいた人ばかりです。


ここで、Jollibeeってなんだ?って思った方のために簡単に説明します。


Jollibeeとはフィリピン華僑のトニー・タンが率いるジョリビー・フード・コーポレーションの運営するファストフードチェーン店で、おもにハンバーガーなどを売っています。普通のハンバーガー屋とは違うのはフィリピンの主食であるごはんメニューやパスタが充実していることであり、もはやハンバーガー屋ではない雰囲気も漂っていました。

実際、暇すぎてジョリビーに2時間ぐらいいたときに店員の働き具合や客の行動などをこっそり観察していましたが、フィリピン人の9割はご飯とフライドチキンが入ったご飯セットしか食べていませんでした。


左の写真のようにメニューボードも真正面がごはんセット、さらにそのメニューの面積がハンバーガーのメニューよりも面積が広いというのがとても興味深かったです。

フィリピンには皆さん御存じ「マクドナルド」はもちろんありましたが、マクドナルドがフィリピンのファストフード業界でシェア第一位になれないのはこのJollibeeにあると言います。(Wikipediaより)

気のせいか、Jollibeeに対抗しようとしてなのかわかりませんが、マクドナルドに行ったときに驚いたのは、ハンバーガー以外にご飯セットのメニューもあり、Mc Riceなるものや、Mc Spaghettiなるものもあったことです。Jollibeeに対抗しているというのはあくまで推測の域を超えませんが… ちなみにこのMc Spaghettiは50ペソ(約120円)でした。味はふつうでした。



(マクドナルドは各国で展開する際に違うテイストを入れているので、どのようにその国に馴染んだメニューを展開しているかをみるのは結構勉強になったりします。)

Jollibeeの話はこれぐらいにして、収入の話に戻りましょう。


〇Jollibeeの店員

店員のREYMさんに話を聞きました。(勤務中だったのであまり話はできませんでしたが)
まず、Jollibeeの時給は42ペソ(カップ麺1個の値段ぐらいです)でした。REYMさんはWorking Student(いわゆるバイトしてる大学生)でありましたが、現在は1科目しかとってないとかで、週6日、1日8時間働いてると言ってました。フィリピンでは月に2回給料が支払われますが、1回の給料はだいたい4000~5000ペソだと言っていました。人によって休める曜日を変えられるそうですが、REYMさんは月曜日が休みであると言ってました。

確か、法律では週に5日、2日は休暇を取らなくてはいけないというのがあったような気もしますが、週6日の勤労は特例で認められているのでしょうか?


〇タクシー運転手

エステというタクシー会社に勤めている方で名前は聞きそびれました。セブでのタクシー会社は数社あるそうですが、白いタクシーが目立ちます。(こちらのタクシーは初乗り40ペソで、割と遠いところに行っても200ペソ~300ペソぐらいで済んでしまいます。ただしマニラは違います。意味わからないぐらい高い値段を要求されます)

この方は1年半前からタクシー運転手をし始めたそうで、以前は商店で店員をしていたそうです。タクシー運転手は1日に300ペソ、月に最大7500ペソの収入があります。


タクシー会社に勤務していると言っても、タクシーのレンタル料金を一日に1000ペソ支払う仕組みらしいです。どういうことかというと、タクシーの運転手が1日に2000ペソの売り上げがあるとすると、そのうち1000ペソは車のレンタル代で会社に支払わなくてはなりません。会社自体は1日に70000ペソ(約17万円)を儲けているらしいです。(つまりエステは70台のタクシーを保有していることになりますね)


1日に1000ペソの売り上げであるととてもいいのですが、ガソリン代などは自分で支払わなくてはならないのでそこが結構します。1リットルが42ペソぐらいしていたので、満タン(40L~50L)入れると、それだけで1600~2000ペソぐらいかかってしまいます。(ガソスタに入っても満タンにはせずに、頻繁にチビチビ入れている感じはしましたけど…)




この方は2人の娘と3人の息子を持っていて、32歳の方でした。32歳で5人の子供って日本では考えられないですね。

〇ホテルでタクシーの手配をする会社の社員

Phil Joyceさんにインタビューしました。ホテルとは別の会社のタクシー業者がホテルのロビーにデスクを構えているところで、暇そうにしていたPhilさんに声を掛けました。Philさんは今年の3月に大学を卒業し、このタクシー会社に入ったそうです。専攻はBusiness Administrationだったそうです。Philさんはまだ20歳で、家族、親戚とともに6人暮らしています。

会社での収入は月13000~14000ペソで家族には月7000ペソお金を渡しているそうです。食費は月1000ペソ、水代月600ペソ、電気代月2500ペソの支出があるそうです。6人家族で住んでおり、これらの支出は母親が出しているそうで、Philさんは月に6000ペソ~7000ペソのお金を自由に使うことができます。

ちなみにPhilさんの母親もまだGovarnmental Officerとして働いているそうで、月に10000ペソ稼いでいるそうです。(どんな職業かはわかりませんでした…)


〇ホテルの従業員
これはPhilさんから間接的に伺ったことで確かかどうかわかりませんが、ホテルの従業員で受付の人の月給は13000~15000ペソ、清掃員は月10000ペソぐらいだと言っていました。(ホテルの受付に直接給料を聞く時間がないほど忙しそうにしていました…)


やはり、自分たちの感覚でもホテルの従業員(受付)はほかの職業に比べるといい給料でした。それでも月に15000ペソ、日本円で約36000円です。物価が安いので月15000ペソあれば十分だそうですが、私の場合、今回の2週間の渡航で無駄遣いしていなくても13000ペソぐらい使っています。(移動費や食費に関しては生活していればもっと切りつめられるのでしょうけど)日本の感覚が抜けていないせいもありますが、同じ学生でアルバイトをしているJollibeeのREYMさんはほぼ毎日しっかり働いても月に10000ペソです。大変な世界だなあと感じざるを得ませんでした。


こうした状況を見ているとちょっと頑張ってバイトすれば国内旅行も海外旅行も飲み会にだって頻繁に行って「ウェーイ!」できる日本の若者は恵まれていると言えます。その分、お金の価値は軽いのでしょう。「お金」という「手段」を何に変えているのか、それが物事を見るのに重要な気がしてきます。

フィリピンでは一日100ペソを稼ぐのがやっとの人もいます。こうした事実や金銭感覚を踏まえて、Compost Projectを通じてどんな利益を生むことができるのか、考えていきたいと思います。












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