2014年9月21日日曜日

第一回の渡航 総括

「初めてのフィリピンでのフィールドワークを終えて」

今回の渡航は自分の経験としても大変貴重なものになりました。自分自身でフィリピンに住んでいる方や貧困対策の活動をしている適切な団体などにつながり、すべての予定を組んで行動をコーディネートし、形だけでもフィールドワークが無事にできたのは一安心しました。渡航直前になっても行動予定が決まっていなかったことなどはなかなか不安でしたが、結果的に良い方に転んでくれました。

また、所属しているIDAcademyで決めた安全対策(予防接種や緊急時の対応チャート、安否を知らせる定期的な連絡、感染症発症予防のための帰国後の経過観察など)の試行も一通りできました。(経過観察は今後1か月継続中です)フィリピン自体訪れたのは初めてでしたし、割と全体的に初めてづくしでした。

今回のCompost Projectのフィリピン渡航の目的は、
・フィリピンで活動するために必要な人や団体につながるため
・トイレを開発するために必要な資材の検討
・フィリピンでの生活環境、特にトイレの環境や習慣について知るため
でした。今回は残念ながら「資材の検討」に関してはそれほど時間がさけなかったので不十分であると思っています。

個人的には来年1月から4か月、デラサール大学に留学することも踏まえて、どのように生活するかというイメージも膨らませながら渡航期間を過ごしていました。しっかりとした準備ができればフィリピンでも十分にやっていけると感じました。


中でも現地でスラムの住民にインタビューが無事にできたというのは予定外でした。当初の予定では住民にインタビューするのはとても難しいという思い込みでほとんど準備をしていなかったのですが、現地に足を踏み入れると意外とすんなりできました。もちろん安全面は確保して実施したのですが、インタビューを通じて直接聞かなくては分からない部分があるということも改めて認識するとともに、現地語で通訳してもらわなければわからないような場面でも、たまたま現地語から英語に通訳してくれる方が同行していたということもあって、割と不自由なくインタビューができたのはとてもよかったです。

その点で残念だったことはインタビュー項目に関してあまり熟慮できていなかった点です。インタビュー項目をあらかじめ決めて、それに関する事前知識などが十分にあれば得られた気づきがまた違ってきたように感じます。加えて、インタビューの方法に関してももう少し改善の余地があると思いました。終始、状況を把握することに執着しすぎて形式的になってしまい、それ以外の質問に関してはほとんどしていなかったように感じます。本当はささいな会話の中から価値観や気づきが得られるのでしょうけど、インタビューとなるとどうしても相手は質問を待っていますし、こちらもあるテーマに則ったような質問しかできなくなってしまいます。相手のさまざまな状況を短時間で知るためのインタビューは訓練が必要な気がしました。

今回得られた情報をもとに10月からまた再構築していく必要が感じられました。課題は一番トイレが必要とされているスラムで「トイレで稼ぐ」システムを広めるにはまずトイレをつくるスペースが確保できないということです。可動式のトイレでもいいのだろうと思っていましたが、それが現地の「トイレ」という価値観や常識にはまっていくかという問題もあります。また、スラムで広めるには、トイレで回収した屎尿を利用する場所までの移動をどのように構築するかという問題もあります。広い土地がある農村で回していくには可能性があるかもしれません。


4月からCompost Projectは始まりましたが、やはり何も見ずに想定していることと、現実とのギャップを埋めるには直接現場に訪れないとわからないことが山ほどあります。今回は現状が分かったので、それを踏まえてCompost Projectの計画を考え直すことが必要です。次にフィリピンで活動するまで国内でできることを精一杯やっていこうと思います。



幸寺


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「フィリピン渡航まとめ」

今回のフィリピン渡航では自分に足りないことがいろいろ浮き出てきました。英語力の不足、活動に関する知識の不足、行動力不足などなど様々なことが挙げられますが、最も自分に足りていないなと痛感したことは、海外の人や海外で事業を行っている日本の人と対等に話す姿勢がないということです。日本にいるときは講義をしてくださった教授に質問をしたり、講義の後に話を聞きに行ったりできていたのに、フィリピンにいるというだけでできなくなっていました。今回が三度目の海外ということでまだ海外慣れしていない部分もあるとは思いますが、積極性が全然ありませんでした。

僕の中での今回の渡航の位置づけは途上国の現実を知ることと自分の現状を知ることでしたので、自分に足りないことが分かっただけでも、分からないでこのまま年を取るよりよっぽどマシだと思っています。ですので、次回の渡航で同じ状況になってしまわないように、今回分かった自分に足りないところをしっかりと補えるように今後の行動を考えていきたいと思います。

プロジェクトの方はと言いますと、思ったより多くのインタビューができたと思います。その中で分かったことは今まで考えていたコンポストトイレが現地のトイレの常識と少し違っているということです。実際に使っているトイレも思ったよりきれいでした。今まで考えていたコンポストトイレを構造面でもシステムの面でも再検討してみる必要があると思います。

今回の渡航の目的は広い意味で「現状把握」なので、その意味では良いものが得られたと思います。重要なのは今回得た多くの情報を今後どのように生かすかということなので、気を引き締めて今後も活動していきたいと思います。



古橋

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